第五回「夢叶えますキャンペーン」のご報告


鈴木明子


「夢叶えますキャンペーン」も5回目を迎え、応募者数9名、国籍もベトナム・中国・タイ・韓国 

など多岐に亘り、その内容は次に示す様なものでした。

 1 ベトナムの学校の屋根の補修

 2 中国で会った立命館大学の書道部の学生たちを、京都に訪ねたい 【1次選考通過 】

 3 京都を中心に、周恩来の足跡を辿る旅をして、日中友好に懸ける思いを新たにしたい

 4 京都で、昔の日本人の暮しを体験したい 【1次選考通過 】

 5 北海道に、恩師を訪ねたい

 6 “青春18キップ“で旅をしたい  【1次選考通過 】

 7 友人と二人で、富士山のゴミを拾って歩きたい 【1次選考通過 】

 8 京都で、舞妓体験をしたい


以上の様に、それぞれバラエティーに富んでおり甲乙つけ難く、選考には苦労しました。

その中で当選された、中国留学生 高さん の応募文の一節には、心引かれるものがありました。

 「レールの響きを聞きながら、車窓に過ぎ去る日本だけの景色を見たい ―― 中略 ――

 そして優しい日本の人々とも会いたいです。この夢を実現する為に、私は一年生の時から

 旅行に必要な体力を作るために、週4回トレーニングをしています。また旅行についての

 知識は、本や雑誌で勉強しています。」

面接での印象もしっかりしていて、全員一致で当選と決めました。

旅は昨年の大晦日を挿んで、元日までの寒い季節となりましたが、無事終えられてお元気な姿で報告会に出席され、「まんまる会」一同胸をなで下ろしました。しかし最後の仕上げとなる報告書の作成には、時間のやりくりを始めとして、いろいろと苦労があった様です。実は今回初めての試みとして、この報告書の原案に対して「まんまる会」の会員から様々な意見や注文が出されました。皆、彼女の実力と粘り強さを信じて、少しでも良いものが出来る様にとの、心から願ってのアドバイスでした。それに応えて書き直し、書き直しを繰り返され、遂に最終報告書に仕上げられました。そのご努力には頭が下がります。

高さんは、このキャンペーンで単に旅をされただけでなく、その旅で出会った様々な出来事や思いを、いかにきちんと皆さんに伝える事が出来るかと言う、大切な勉強を見事にやり遂げられたと思います。

「夢キャン」が、この様な形で留学生の能力アップにいささかでも貢献できたのなら、会として本当に嬉しい事です。
     


☆高莉莉さんのプロフィール☆

キャンペーンに応募された時の高さんの計画書には、具体的な旅のタイムテーブルとともに、ご自身のプロフィールが記されていました。本当に旅が好きなんだなとよくわかる、楽しい文章です。その一部をご紹介します。

旅の内容は、別冊の報告書「青春18きっぷ 一人の旅へ」でお楽しみください。

出  身:中国 上海

趣  味:本を読むこと、馬術の試合を見ること、旅行、トレーニング、

ニュースを見ること(特に経済に関する)、母とおしゃべりすること

性  格:さばさば、前向き

あまり疲れを感じることがなく、ポジティブで、楽天家です。

いつも笑っていて、目標を持って頑張っています。

短所は、メニューに関して優柔不断な所です。

モットー:「練習は不可能を可能にする」

旅行に行ったところ:中国……北京、香港、マカオ、青島、蘇州、杭州、湖南、無錫など

          日本……大阪、箱根、那須    韓国……ソウル

旅の中で一番感動した思い出:今年の夏休みに、香港へオリンピックの馬術競技を見に行ってきました。世界ランキングが千位くらいの香港の選手が障害で0減点を獲得した後、私の席の前の馬場でヘルメットを投げ出したことが一番感動しました。その喜びに感動されて泣きました。

旅の中で一番好きなところ:鳳凰

  旅の中で一番残念なこと :マカオで、大雨のため、マカオタワーにある高さ300メートルの世界一のバンジージャンプができなかったことです。

旅行から得たもの:感謝の心

旅行に役立つ能力:体力がある、しっかりする性格、日本語英語中国語がしゃべれる

可能なトラブル :寒さ、方言が分からない、悪天気、事故などによる電車の遅延


「まんまるゆめ夢ちゃかん茶館とミニバザー」へのおさそ誘い
日 時  2009年3月15日(日) 10時〜15時
場 所 かながわ県民センター(横浜駅西口ヨドバシカメラ裏)10階

「市民活動フェア」出店 *  まんまる会の会員や日本人との交流
*  ミニバザー(寄付された日用品の販売)
【売り上げは「夢叶えますキャンペーン」に使わせていただきます】
*  手作り菓子、炊き込みごはん、販売
*  「夢叶えますキャンペーン」についての説明

気軽なおしゃべりと、中国茶芸と日本の煎茶の接待をお楽しみください。

留学生の参加、お手伝い 大歓迎です!

「夢叶えますキャンペーン」とは、留学生の小さな夢を叶えるお手伝いをする企画です
第1回 「沖縄の恩人を訪ねる旅」   
「生物学会に参加」 
第2回 「戦争への再認識の旅」           
「広島へ平和祈念体験レポート」       
第3回 「藍の旅」
第4回 「杜 勝蘇書道芸術展」
第5回 「青春18きっぷ 一人の旅へ」


好評だった昨年のバザーの様子
慌ただしい会場の中でここだけ
”ほっと一息“中国茶芸






高莉莉さんの旅の報告会が2月1日(日)、県民センターで行われました。

まんまる会会員と、キャンペーンの面接まで残った留学生も参加してくれて、パソコンの画面に現れる写真を見ながら、楽しい一時を過ごしました。

計画の段階からすでに、私たちまんまる会と高さんとの旅は始まっていたのですね。一人ひとり自分が旅しているように、心を熱くしていました。

その結果として、素敵な報告書が出来上がりました。
それでも、今回の旅で得たものは、この報告書には収まらないほどたくさんあったと思います。
これからそれがもっともっと育っていくことを願っています


高さんの報告書と共に、鈍行列車の旅を楽しんでいただけましたか? 

今回のキャンペーンに応募してくれた留学生、面接に来てくれた留学生、応援してくださった方々、キャンペーンの広報に協力してくださった方々、感謝の気持ちでいっぱいです。どうもありがとうございました。