広島の痛みを知り、語り継ごうとする

中国人留学生と日本人学生

鈴木 明子

 夢叶えますキャンペーンも年を追う毎に応募者が増え、昨年(2005年)は14名を数えました。

夫々に一途な真剣な思いが語られ胸打つものがありました。そのなかから一つを選ぶのはつらい作業でしたが、せめて満場一致での思いが通じたのか、中国人留学生の陳杰さんの当選に異議を唱える人はいませんでした。

 ここにその応募文全文を紹介致します。


 「 戦争への再認識〜広島の原爆ドームへ」

 陳杰さん


 この夏の中国反日デモにより、私は戦争への再認識の必要性をつくづく感じました。特に、日本へ留学に来た私たちにとっては、歴史・戦争への正しい認識、つまり、戦争が持つ2面性〜戦争加害と戦争被害という二つの面について、もっと勉強しなければならないと思い始めました。それに身をもって実感するためには、第二次世界大戦時、広島の原爆資料および映像を保存している原爆ドームへ実際に足を運び原爆資料館の戦争加害情報をみて、戦争が日本への被害を実感するのが一番だと思います。日本は戦争の中、加害者ばかりとして見てきた私たちは、被害者としてはあまり見なかった面も自分の目で見て、そして写真に収めて、中国の友人そして人々にその事実を伝えなければならい義務があると思うからです。これは、現在私が持っている「小さな夢」です。是非この夢を叶えさせてください。

 2005年は、折から日中関係のギクシャクが大きく取り上げられた年でした。激しい反日デモの映像を目にする度に日本人の多くは沈痛な思いにとらわれるのでした。そんな時、陳杰さんの応募文を目にし、何か一筋の灯を見たような気がしました。

 更に幸いなことには、旅の同行者の日本人学生、伊舎堂寿彦さんが沖縄出身で平和に深い関心を寄せる才能豊かな好青年だった事です。多くの方々に支えられて、二人の旅は実り豊かなものとなりました。陳さんの報告文、伊舎堂さんの体験レポートをここに同封いたしますのでどうかお読み下さって、ご意見ご感想があれば是非「まんまる会」にお寄せください。

面接の様子


*伊舎堂さんのレポートを読みたい方は小野 onokyo1118-lj@infoseek.jp までメールでご絡絡ください (容量の都合でこのホームページに載せられませんでした。ご希望の方には郵送いたします))

御意見をお寄せ下さい。 丸谷士都子@まんまる会