第10回 留学生と語ろう!まんまるバザー
日 時: 平成9年9月28日(日)午前11:00〜午後2:00
場 所: かながわ県民センター 1F展示場
(JR/東横線/京急線 横浜駅より徒歩4分)
毎年春に開催して好評のまんまるバザー、今年は、開催時と場所が変わり、趣向もちょっと変わります。
創設以来、まんまるバザーは留学生との交流を大切にしてきました。交流会は、元留学生同士の再会の場になり、まんまる会会員にとっても、なつかしい方たちとの語らいの場となりました。今回は食事会の代わりに、会場内に「交流コーナー」を設けます。お茶とお菓子をいただきながら、おしゃべりをしましょう。ぜひ、知りあいの留学生や、バザーや交流を必要としている人たち大勢に声をかけて下さい。たくさんの人が集まることが私たちまんまる会メンバーの最大の喜びです。
例年のように、新しく生活を始める留学生のための生活用品は、有志の方のご協力で集めます。お手伝いの方もたくさん必要です。詳しくは最後のページをお読み下さい。
ー今年の行事からー
弘法山ハイキング
ハイキングに参加して 後岡 和代
四月二十日、秦野駅に集合。権現山ー弘法山ー善波峠ー吾妻山ー鶴巻温泉という、初心者でも大丈夫というコースが計画されました。ハイキングコースの入り口は駅から近く、山道を少し登って行くともうそこは新緑の中。時々町の音が聞こえてくるのに、ここにはさわやかな空気があふれています。
「この花は何々」 「これは日本タンポポ、今ではなかなか見られないのよ」
知識のない私は、周りの方の話に耳を傾けながら緑の中をゆっくり進んで行きました。一時間ほど歩いて早めの昼食タイムとなりました。今回の参加者は十三人。会員の方が友人を誘ったり、中国側からは安さんが参加されました。
小野さんに誘われて、今回初めてまんまる会の活動に参加させていただきました。山登りは学生時代、丹沢の沢登りをしてから何十年ぶり、皆さんとも初対面ということで、不安が一杯でしたが、会話が進むうちに温かい雰囲気に包まれて、「私も仲間に入れて下さい」と思わず言ってしまいました。楽しみながら活動を続けている皆さんに触れて、私にも何かできるかなと思えたのでしょう。私は趣味で何年か中国語を勉強してきたのですが、その中で多くの方と出会うことができました。またこうして新しく交流の場を持てたことをとてもうれしく思います。よろしくお願いいたします。
さて、おなかが一杯になった所でまた歩き始めました。昔農民が収穫の後競馬を楽しんだという並木を通り、こんな山の中にどうやって馬を連れてきたのかしら、などと彼らの生活を想像し、下り道に少し苦労しながら、鶴巻温泉に着いたのが三時過ぎ。温泉に入る時間がなくなったのは残念でしたが、緑をたくさん浴びて楽しい時を持てたことに満足し、心地よい疲れとともに家路につきました。
サマービアパーティー
1997年7月19日(土)午後5時〜7時
於 横浜桜木町駅前健康福祉総合センター10階「オアシス」
参加者 18名(内まんまる会10名)
五時に近づくにつれて、バザーやハイキング、運営委員会でお馴染みの顔ぶれが集合し始めました。これからビール片手にビアパーティーが始まるのですから、心が弾んだ様子で、賑やかです。
この日の参加者は、日本で生活している元留学生、家庭生活を営みながら学業を続けている方、中国残留孤児の家族として来日した青年などです。子供連れの方もいらして、小さな可愛らしいお客様が三人、いすにちょこんと座っていました。そのうちの二人は、一昨年のまんまる会ミカン狩りに参加したこともあり、その成長ぶりに一同びっくり。会を続けていると、こんな再会の楽しみもあるのです。
再会と出会いの喜びを祝した乾杯でパーティーは始まりました。ご馳走と冷たいビールをお腹に入れながら、おしゃべりにも口を動かし続けました。男性二人のうちの一人である、まだ来日して日の浅い青年は言葉少なでしたが、まんまる会のベテラン通訳や、同じ国の人達に囲まれて、きっと満足してお帰りになったことでしょう。
十階の広いガラス窓から、港の向こう遠くにはベイブリッジが、そして眼前には横浜の新しい街であるMM21地区が一望できま
した。海を見て、遠い祖国に思いを馳せた方もいらっしゃったのではないでしょうか。
バザーやハイキングに参加した方達から、「再会を楽しみにして来ました」という言葉を聞いた時は大きな喜びを感じました。このパーティーを企画した時の私達の気持ちや期待と、この一言が一致したからです。
会長の鈴木さんのお話にありましたように、小さな小さなまんまる会ですが、どうぞ話したいこと、相談したいことなどありましたら、いつでもご連絡下さい。お待ちしています。
最後にビンゴゲームに興じるころには、小さなお客様達はにこにこ顔で走りまわり、他の皆様も打ち解けられ、楽しい初めてのビアパーティーとなりましたことをご報告いたします。
ビアパーティー参加者から
まんまる会と出会って良かった 池田 マリア
年たまたま友達の紹介でまんまる会のバザーに行きました。そしてバザーで色々な生活用品を買いました。バザーが終わったら食事会があると言うのを聞きましたが、ちょっと用事があって食事会に出ないで帰りました。一ケ月たったある日、まんまる会からまんまる会通信をもらいました。その通信から色々な情報が分かりました。今年もまんまる会ハイキングの情報をもらいましたが、体の都合(五月に女の子が生まれました)で行くことができませんでした。
今回のサマービアパーティーに行って、まんまる会会員の皆様と色々話し合ってとても楽しかった。日本人の方々が留学生のために少しでも役に立ちたいといっておられるのを聞いて心から感動しました。私も五年前研修生として日本に来ました。そのときの経験で今の留学生の気持ち良く分かります。現在、私は日本人と結婚して日本で暮らしています。もしできれば留学生のためなにかしたいです。ちょっとでもいいなと思います。
だからこれからもまんまる会がますます発展することを心からお祈りします。
マリアさんは、中国のウイグル出身です。やさしいご主人と赤ちゃんと一緒に保土ケ谷区にお住まいです。
まんまる会の交流会に参加して ディララ・ダウレッティ
私は友達の池田マリアから、まんまる会のことを知り、七月十九日の交流会に出席させていただきました。日本にきてもう五年になりましたが、こういう交流会に参加したのは初めてのことでした。交流会でまんまる会の皆様と話しているうちに、もう少し早くまんまる会のことを知れば良かったなと思いました。
留学生達、特に自費留学生達は、初めに日本に来た時、辛い思いをばかりすると思います。日本語の問題、生存と勉強の間の矛盾に対しての悩み、文化の違いからの日本人のことについて理解できず、などの問題が、次々と留学生達の生活に侵入して、自らの力でこれらの問題をうまく解決するにはとてもむずかしいと思います。もし、そんな時、まんまる会のような会と出会ったら、留学生達の生活に対してはもちろん大きな助けとなり、その上、留学生達の人生についての考え方、日本についての見方も大きく違ってくると思います。
まんまる会は長い間、留学生達のためにいろんな活動をしてきたことは、私の心に深く印象を残し、留学生としている私も、他の留学生のために何かできるかなと考え始めました。
今後、日本ではまんまる会のような会が多くなることを期待しております。
ディララさんもウイグル出身で、横浜国大の大学院生です。ご家族はご主人とニ歳の息子さん。この日はお子さんを連れて参加して下さいました。
本の紹介
「曽おばさんの海」を読んで 鈴木 明子 (元留学生、班
忠義さんの作品です。)
1992年第七回ノンフィクション朝日ジャーナル大賞を受賞しました。作者の班忠義さんは、「まんまる会」とも多少縁のある方です。ご記憶の方もいらっしゃるかと思いますが、六・四
天安門事件(1989年)の直後、「まんまる会」は上智大学と一緒に「今中国は?」と題する
講演会及びパネルディスカッションの会を催しました。その時のパネラーのお一人が班さんでした。当時大学院生だったと憶えています。その後わたくしとは手紙のやり取りを通じて細々ながら交流が続いていました。
その班さんが日本人でさえ至難と言われる大賞を受賞したと聞いて、大いにびっくりしました。ところが読んでみると、その文章の上手さに又びっくり。次は内容の質の高さに又々びっくりした次第です。都合三度びっくりしたのですから相当なものです。近ごろボケ症状の進行におののくわたくしにとってはよい刺激となりました。
さて表題の曽おばさんですが、中国で暮らす残留婦人の一人です。作者の班さんは少年時代を文化大革命の嵐の中で過ごし、やがて日本語を学びたいと切望するようになりました。中国人に嫁いだ日本女性を訪ね教えを請いました。その人が「曽おばさん」です。その師を敬愛をこめて描いたのがこの「曽おばさんの海」なのです。
作者は言います。この本を書こうとした私の最大の願いは、中国で暮らす残留婦人のことを一人でも多く知ってもらいたい、理解してもらいたいということだ。日中間の戦中戦後の歴史のために、彼女たちに残された時間は少なく、今まで救える道はほとんど閉ざされていた。この女性たちこそ今も続いている日本側の戦争犠牲者である。今となっては、彼女たちを本当に救うすべはもうないだろう。生きている限りこうした戦争の被害を受け続ける不憫な女性たちの存在をせめて歴史の上に残してあげて、次の世代に知らせるべきだと思う。
タイトルの「海」という意味は、それは単に曽おばさんを中国に留まらせ、どうしても越えられなかった自然の海の存在だけではない。私たち日中両国の人々の間に、考え方、習慣、価値観、人生観などの多くの面で大きく異なる、あるいは越えがたい海のようなものがあるからだ。(中略)日中高官のやりとりやビジネスマンの商売だけが盛んになる日中交流なら、結局は日中両国の間を隔てる「海」を広げていくばかりである。
以上長々と引用したのは、単なる人物評伝に留まらないで、この作品は日中関係に関しての作者の考え方や見方が正直に語られている希有なものだからです。わたくしたちの参考になることは多いと信じます。
最後に作者の結語を紹介して終わりとしましょう。
「両国民の間に本当の相互理解を構築し友情を深めるためには、考え方や思想文化の交流、市民レベルの心と心の触れ合いを、もっと盛んにすべきである。」
曽おばさんの海(朝日新聞社)1400円
まんまる会のホームページができました
http://www.jah.or.jp/~chen/manmaru.htm
製作してくださっているのは、陳 建成さんです。まんまる会のハイキングに参加してくださった留学生の方です。「十周年の特集を拝見しましたが、とても感動しました。
この内容を自分のホームページに発信して紹介したいです。もっと、まんまる会のことをインターネットで広げたいという気持ちで、なんか役立ち手伝います」 内容は今のところはまんまる会通信と、行事の参加呼びかけですが、いずれはたくさんの方からの意見や情報交換の場所となればすてきだなと思っています。
インターネットをやっている方はぜひアクセスしてみてください。ご意見もどうぞ。丸谷士都子へ。
まんまるバザーご協力のお願い
お手伝い大募集!
*バザーを開くにはたくさんの人手が必要です。ご協力お願いします。
[運搬、陳列、販売、片付けのお手伝い]
まんまる会の元気なメンバーも、年と共に無理がきかなくなってきているのは否めません。若くて力持ちの協力求む!元留学生もぜひ ご協力下さい。交流コーナーでの話し相手も必要です。
バザー品大募集!
*バザーでは、留学生の役に立つ生活用品が必要です。ご寄付をお願いします。
[日用品、電気製品、食器、食料品、新品・新品同様の衣類、辞書等]
お願い:古着や流行遅れの衣類は集めないことになりました。恐れ入りますが、電気製品は、こわれていないか、食料品は賞味期限内かを確かめた上でご寄付願います。大きな家具、電気製品等は、情報として会場に掲示します。
ご協力いただける方は、9月初めまでに下記にご連絡下さい
TEL 045-381-6972 小野 京子
TEL 045-572-4276 西海 宣子(さいかい のぶこ)
バザー品送付先
〒240 横浜市保土ケ谷区新井町274ー9
小野 京子
〒244 横浜市戸塚区品濃町515ー1 南の街4ー1004
谷士都子(まるたにしづこ) TEL/FAX
045-824-9459
編集後記
行事をやって人が集まるか集まらないかは、最大の心配ごとです。何度も集まりを開いて準備を重ねるのですから、参加の連絡が来ないとちょっと寂しく思います。でも、参加者が少なくても、心のこもった感想を聞くと、やってよかったと思うのです。どうぞ口コミをよろしく! (S)
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御意見をお寄せ下さい。 丸谷士都子@まんまる会
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